シャルドネらしい上品で飲みごたえのある味わい
こちらのワインは、フィサン村の斜面上部にある畑で沖積土壌にジュヴレ・シャンベルタンらしい酸化鉄を含んでいる表土の下に厚い石灰岩盤がある区画。ピノ・ノワールには実は相性が良くないので、昔からシャルドネが植えられてきました。フィサン村での白ブドウ比率はかなり低く稀少な1本です。
透き通っていて、キラキラとした淡いイエロー色。柑橘系のフルーツ、リンゴや洋梨のような果実の香りがフレッシュで心地良く感じます。石灰岩の土壌由来のミネラルと綺麗で透き通ったほどよい酸味が船体のバランスを取り、シャルドネらしい上品で飲みごたえのある味わいです。あまり冷やしすぎず、大ぶりのシャルドネ用ワイングラスを使用する事で、香りや風味が一層華やかに仕上がります。
フレデリック・マニャン
テロワールの表現にこだわりが強い為、100年前に決められた AOCには納得していないようで、その枠に収 まらない取組も始めました。 鉄の多い畑から造ったワインに「クール・ド・フェ―ル (鉄)」。石の多い畑を合わせたワインに「クール・ド・ロ ッシュ(石)」。そして、粘土の強い畑のワインには「ク ール・ダルジール(粘土)」と表記をします。
『村名を造る時、村の個性以上に各畑の土壌の個性が勝ることがある。それならばその事実を表記するべきだと思った』
『ヴィラージュ・ワインでも最低 40年の樹齢が条件。 土壌の個性を表現するにはある程度根を伸ばす必要もあるし、樹勢を落とし、樹中の水分量を減らさ なければならない』と語るほど、畑を選ぶ時にテロワールと樹齢を最も重視しています。
10年以上前から有機栽培を取り入れ、太陰有機法 に従った栽培や醸造を行ってきました。最近のフレデリ ックはより自然で人為的介入を少なくする方向に向かっています。「DRCよりルロワが好きだ。1点の汚れもない完璧に整理整頓されたワインよりも、欠点があっても伸びやかで定規で測れないワインが好き」とコメントしています。
彼のワインで特筆すべきはジャー(アンフォラ)での熟成を開始したことです。スペイン製の薄い素焼きの甕(かめ)での熟成により、水分が少し蒸発し、味わいが若干凝縮します。内側を蜜蝋で焼き固めていないものを使用することで香りの成分や水に溶ける成分は何も無く、バリックのようにタンニンや香りをワインに与えないことが特徴です。ブドウそのものの個性を引き出してくれますが、現段階では単体では複雑味に欠けると判断し、バリック熟成のワインとのブレンドでバランスをとっています。
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