ジュヴレ・シャンベルタン寄りの畑で力強さを兼ね備えた1級畑
モレ・サン・ドニは、北はジュヴレ・シャンベルタン、南はシャンボール・ミュジニーの村に挟まれた人口約700人の小さな村です。畑は小さいながらもぶどう栽培にとって最適な位置にあり、5つの特級畑と約20の1級畑が存在しています。ジュヴレ・シャンベルタンの力強さとテクスチャー、シャンボール・ミュジニーの洗練された豊潤なイメージを併せ持つ魅力があります。
クロ・デ・ゾルムは総面積4.5ヘクタールの1級畑です。その内の約2ヘクタールをジョルジュ・リニエが所有しています。モレ・サン・ドニの最北端に近く、ジュヴレ・シャンベルタンの様な力強さの要素が比較的強く表現される区画です。
ブラックベリー、ラズベリーやブラックチェリー、レッドカラントなどの赤黒系果実の華やかな香り。奥行きにシナモンのニュアンスと、軽くスパイシーな印象が残ります。酸味もきれいで、タンニンは十分に強く、エレガントな一面を持ちつつも、骨格がしっかりと感じられる味わいです。
合わせるお料理は、牛肉のスネ肉やタンの赤ワイン煮込み、羊の香草焼き、燻製した豚肉のローストやソーセージに少し黒胡椒やガーリック、ナツメグ等を使用してスパイシーさを加えるとおいしく仕上がります。
ジョルジュ・リニエ
ジョルジュ・リニエは、20 世紀初頭に父親からぶどう畑を譲り受け、家族経営のドメーヌとして設立されました。モレ・サン・ドニの中でも最も大きいワイナリーの1つで、畑の所有面積は16 ヘクタールです。ピノ・ノワールを中心に50の区画があり、合計17のアペラシオンに分かれています。土壌はほとんどが粘土石灰岩。ぶどうの樹はかなり古く、平均樹齢は50年。畑の作業は環境に配慮することを目的としており、収穫はほとんどの場合手作業で行われます。
化学肥料は使わず、堆肥のみ使用。畝の間には草を生やし、土の中の微生物が活発に働くように樹の若枝を粉砕して畑に撒いています。ぶどうの最適な熟成の為に、芽摘み、グリーンハーベスト、葉を摘みとっていきます。仕上がる果実は非常に小さく、凝縮しており、それぞれの畑のテロワールが出るワイン造りを行っています。
現在、このドメーヌを率いるのは、ジョルジュ・リニエの甥であるブノワ・ステリー氏です。彼は叔父とともに10年間ドメーヌで働き、2008年に畑とセラーの両方の管理を引き継ぎました。
彼のこだわりとして、新樽はあまり使用しません。村名では新樽は使用せず、1級畑で20~30%、特級畑で50%の比率に抑えています。
また、良いヴィンテージの場合は15年以上の熟成にも十分耐えることが出来るので、より繊細で複雑なワインに変化していきます。
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