北部ローヌの名門ギガルが手掛けるリッチでしっかりした味わいの赤ワイン
紫の反射をもつ深いルビー。黒い果実、なめし革、甘草、東洋のスパイスなど香りは複雑。ユーカリミントのニュアンスも。リッチでしっかりした味わいです。余韻もきわめて長いです。
シラー100%(テロワール構成:ベサール30%、グレフュー30%、ミュレ20%、エルミット20%)
新たな挑戦を続けるローヌの盟主“ギガル”
「ギガルの三つ子の兄弟」と俗に言われる単一畑のコート・ロティ、「ラ・ムーリーヌ」「ラ・ランドンヌ」「ラ・テュルク」やコンドリューの「ラ・ドリアーヌ」はギガルの名声を確固たらしめ、とりわけこのふたつのアペラシオンにおいては他に並ぶもののない、圧倒的な地位を築いています。
創業者のエティエンヌ・ギガルが14歳から奉公していたヴィダル・フルーリィ社を、2代目のマルセルが80年代に傘下に収めた後、1995年にはコート・ロティの歴史的なドメーヌである「シャトー・ダンピュイ」を入手しました。 2001年にジャン・ルイ・グリッパとドメーヌ・ド・ヴァルーイの両ドメーヌを吸収し、サン・ジョゼフの「ヴィーニュ・ド・ロスピス」や「リュー・ディ・サン・ジョゼフ」、エルミタージュの「エクス・ヴォト」など新しいアイテムを生み出しました。
さらに2006年にはドメーヌ・ド・ボンスリーヌに資本参加。こちらは独立したブランドとして醸造、販売されています。
今日、ギガル社はローヌ全体におよそ60haもの自社畑を所有しています。
そしてメゾンにおいてワイン造りの全権を担うのは、醸造学のディプロマをもつ3代目のフィリップ氏。
先の「ギガルの三つ子の兄弟」はじつに40ヶ月もの長期間にわたって新樽に寝かされるため、オーク樽の善し悪しはきわめて重要となります。
その品質を確実なものとするため、2003年以来、ギガル社は「シャトー・ダンピュイ」に樽工房を設え、年間に必要となるおよそ800のオーク樽を自製しているこだわりを持っています。
単一畑の「コート・ロティ」や「コンドリュー」、「エルミタージュ」の上級ワインに焦点が集まりがちですが、メゾン共通のラベルで統一された、ネゴシアンもののワインも特に質が高い仕上がりです。
「コート・ロティ・ブリュンヌ&ブロンド」は「ラ・ムーリーヌ」や「ラ・テュルク」でなくともギガルの底力を知ることのできる精緻な造りです。
最もベーシックな「コート・デュ・ローヌ」でさえ赤はシラー、白はヴィオニエを主体とするところに、北部ローヌの造り手としての矜持を感じます。
コストパフォーマンスは実に高く、「コート・デュ・ローヌ」は自社のセラーで数年以上寝かせてから各国へリリースします。本来であれば、ワインが出来上がり次第すぐにリリースするものですが、あえて長期案寝かせることで一段と芳醇な香りと複雑味を感じる逸品に仕上げています。
品質に妥協を許さないギガル社。コート・ロティを中心とする北部ローヌの盟主として、ますますの発展が期待される造り手です。
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